bizLabAI活用・事業開発

社内の「誰にいい?」を減らす、AI相談窓口の設計

社内資料を根拠に案内し、解決しない相談を人へ引き継ぐ仕組みを設計しました。資料の整備、共有する情報、対応後の更新までを解説します。

AI生成のイメージ写真。社内資料や相談の流れを整理する作業風景。実際の社員・顧客・執務環境の写真ではありません。
AI生成のイメージ写真。実際の社員・顧客・執務環境を撮影したものではありません。

この記事のポイント

  • 案内の根拠となる資料と、確認する担当者を決める。
  • 解決しない相談は、経緯と本人の確認を添えて引き継ぐ。
  • 対応結果から共通化できる内容を選び、資料へ戻す。
この記事の目次回答をつくる前に、答えの置き場所を整える回答には、参照した資料を添える解決できない相談の渡し方まで決める解決した内容を、次の案内に戻す小さく始めるための設計メモ生産性は、相談の終わりまで見て考える

入社したばかりの人が、仕事の進め方を知りたいとき。資料の場所が分からず、詳しそうな人に聞くことがあります。答える側も、既存の説明を探し、相手の状況を確認し、必要なら別の担当者につなぎます。

bizmoteでは、オンボーディングの学習と社内資料、相談の入口をまとめる仕組みをAIと制作してきました。資料を根拠に案内し、解決できない場合は担当者へ相談を引き継ぐ設計です。

この取り組みには、設計・実装した部分と、外部接続や実運用での確認が必要な部分があります。この記事では、問い合わせ削減の実績を示すのではなく、相談窓口を組み立てる際に考えたことを紹介します。社内の設定や運用データは掲載しません。

回答をつくる前に、答えの置き場所を整える

相談窓口を考えると、どのAIを使うか、どう会話させるかに目が向きます。今回の設計で土台になったのは、案内の根拠となる社内資料です。

資料が複数ある場合、同じ手続きについて説明が違うかもしれません。下書きと正式なルールが並んでいることもあります。こうした状態で自然な回答だけを作っても、何を正しい案内として使うかは決まりません。

そこで、文書が確認済みか、まだ確認待ちかを分けて扱う形にしました。正式な内容がない箇所は、その状態を残します。空白を埋めることより、誰が何を確認すれば案内できるかが分かる状態を目指します。

読者が取り組む場合も、よく聞かれる質問を一つ選び、その回答の根拠がどこにあるかを探すことから始められます。資料が見つからなければ、先に担当者と内容を確かめます。この作業自体が、社内の説明を整理する機会になります。

回答には、参照した資料を添える

相談する人は、短い答えだけでなく、自分で元の説明を確かめたい場合があります。回答に根拠資料を添えておけば、前後の条件や詳しい手順を読みに行けます。

資料が見つからない場合や、内容が曖昧な場合もあります。そのときは、確認できた範囲と、担当者への確認が必要な範囲を分けて案内します。「たぶんこうだろう」を正式な社内ルールとして伝えないための設計です。

今回の仕組みも、AIの接続状態に応じて、資料検索による案内を区別するようにしています。読者が受け取る回答が、何を根拠に、どの範囲まで案内しているのかを見分けられることが大切だと考えています。

なお、ここで紹介する資料の分類や回答例は一般化したものです。実際の社内規程や個別の相談内容を再現していません。

図は横にスクロールして読めます

確認済みの資料で案内できる範囲を分けることで、人に渡す相談を判断できる

解決できない相談の渡し方まで決める

AIの回答で解決しなかったとき、「担当者に聞いてください」とだけ伝えると、利用者は最初から説明し直すことになります。担当者も、どこまで調べ、どの案内で解決しなかったかを聞き直す必要があります。

そこで、質問、一次案内、追加の状況をまとめて引き継ぐ流れを設計しました。利用者が共有内容を確認し、相談として送る形です。閲覧しただけの会話と、本人が担当者に共有する相談を区別します。

引き継ぐ情報は、担当者が次の対応を始めるために必要なものから選びます。会話を全部送ると情報が多すぎる場合もあります。逆に質問だけでは、すでに試したことが分かりません。必要な項目を決めておくと、引き継ぎの粒度を揃えられます。

横に長い表は スクロールして読めます

引き継ぐ項目担当者が分かること
今回の質問何に困っているか
参照した資料と一次案内どこまで説明したか
解決しなかった点次に何を確かめるか
本人が追加した状況個別に考慮する条件
受付と対応の状態誰が次に動くか

通知を送るだけで業務を完結させないことも大切です。相談を保存した、通知が届いた、担当者が確認した、対応が終わった。それぞれの状態を分ければ、途中で止まっている相談を探せます。

解決した内容を、次の案内に戻す

人が対応した相談には、資料の不足や分かりにくさが表れることがあります。同じ点を繰り返し説明しているなら、回答の言い回しだけでなく、元資料を更新する余地があります。

たとえば、説明用の例として「申請先が分からない」という相談が続いた場合を考えます。手続き自体に問題がないなら、入口に申請先を明記することで、次の利用者が探しやすくなるかもしれません。下の図では、その変更を更新前と更新案の差分として表しています。何を足すかと、誰が正式な内容として確認するかをセットで扱います。効果は更新後の利用状況で確かめます。

個別対応の内容を、そのまま全員向けのルールにするわけではありません。担当者が共通化できる部分を判断し、文書の責任者が確認します。確認した内容を資料へ戻すことで、案内と運用をつなげます。

図は横にスクロールして読めます

相談で分かった不足を更新前後で比べることで、資料に加える内容を確認できる

小さく始めるための設計メモ

最初からすべての社内問い合わせを扱おうとせず、根拠資料と担当者が明確な範囲を選ぶと、確認しやすくなります。以下は検討用のひな型です。

  • 対象にする相談:[扱う手続きや質問]
  • 参照する資料:[正式な説明の置き場所]
  • 文書の責任者:[内容を確認・更新する人]
  • 案内できる範囲:[資料だけで答えられること]
  • 人へ渡す条件:[例外、不明点、本人の希望など]
  • 引き継ぐ内容:[質問、一次案内、追加の状況]
  • 対応の終わり:[何をもって完了とするか]
  • 更新の手順:[解決した内容を誰が資料へ戻すか]

動作を確認するときは、資料で答えられる相談だけでなく、資料がない相談、一次案内で解決しない相談も用意します。通知先への到達や担当者の対応まで確かめて、初めてその範囲の運用を確認したと言えます。

生産性は、相談の終わりまで見て考える

一次回答が速くても、誤った案内の修正や説明のやり直しが増えれば、全体の負担は減りません。利用者が解決にたどり着いたか、担当者の確認に何が必要だったか、資料に戻せる学びがあったかを見ます。

今回共有するのは、そのための設計と制作の経験です。問い合わせ件数や対応時間がどの程度変わったかは、運用して測定する課題として残っています。

まず、最近繰り返し聞かれた質問を一つ選んでください。答えの根拠、答えられないときの担当者、解決後の更新先を並べると、相談窓口で整えるべき仕事が見えてきます。

このナレッジを AIと使う

「社内の「誰に聞けばいい?」を減らす、AI相談窓口の設計」を自分の業務に当てはめるためのMarkdownファイルです。記事から抜き出した要点・手順・チェック項目に、自分の状況を書き込む欄とAIへの依頼例をまとめています。

このファイルでつくれるもの

  • 記事の要点に沿った現状整理
  • 優先して確認する質問リスト
  • 担当者・期限・判断条件を含む実行計画

ChatGPTやClaudeなどにファイルを添付し、自分の状況を伝えてください。対話しながら具体的なアウトプットをつくれます。

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無料・登録不要 / 更新 2026-09-11
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#AI活用#業務改善#オンボーディング

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