AIの資料デザインを揃えるには、見本と制作ルールを渡す
見本のPowerPointと制作ルールを使い、白黒・細い罫線の資料へ調整した経験を紹介します。自社の好みを具体的な指示に変えるひな型付きです。

この記事のポイント
- 見本には、どの要素を参考にするかを添える。
- 好みを、文字・色・線・余白の確認できる指示へ変える。
- 見た目のルールを揃え、図の構図は情報の関係から選ぶ。
AIに資料を作ってもらったとき、内容は入っているのに「うちの資料らしくない」と感じることがあります。色が多い。枠が強い。情報が同じ形の箱に入り、どこが大事か分かりにくい。こうした違和感を直すには、目指す見た目を共有する必要があります。
今回のbizmoteの資料制作では、スライドの型を集めたPowerPointと、制作手順をまとめたスキルを参照しました。その上で、白黒を基調にする、図形の線を細くするといった希望を伝えています。
この記事では、その経験から、AIに渡す見本の選び方と制作ルールの整理方法を紹介します。元のカタログやスキルの内容を配布するものではなく、自社のルールをつくるための手順です。
見本のどこを参考にするかを添える
見本には、配色、余白、文字の大きさ、図の形、話の組み立て方など、多くの情報が含まれています。ファイルを渡すだけでは、どの要素を優先してほしいかまでは伝わりません。
そこで、見本と一緒に「参考にする点」を書きます。「この余白の取り方」「見出しと本文の大きさの差」「表の細い罫線」「図を一つ置いて説明する構成」といった指定です。ロゴを使う場合は、公式の画像データを添えます。
見本の内容と今回の内容が違う場合は、形をそのまま当てはめる必要はありません。たとえば、比較表の見本を、時間の経過を説明するページに使おうとすると、かえって読みづらくなることがあります。色や文字の調子は揃えながら、情報の関係に合わせて図を変えます。
見本が複数あるときは、「見た目はこちら」「説明の順序はこちら」のように役割を分けておくと、違いがある場合も判断しやすくなります。参照する資料が増えるほど、何を採るかという指示が役に立ちます。
好みを、確認できる制作ルールに変える
今回伝えた「白黒ベース」「線を細く」は、出力を見て確認できる指定です。一方、「かっこよく」「コンサルっぽく」だけでは、完成形の解釈が広くなります。
抽象的な希望を書いてはいけないということではありません。最初は感覚のままで構いません。初稿を見た後、その感覚を構成要素に分けていくと、次の依頼でも使えるルールになります。
横に長い表は スクロールして読めます
| 感じている違和感 | 制作ルールに置き換えた例 |
|---|---|
| ごちゃごちゃしている | 主張を一つに絞り、補足は本文へ移す |
| 線や枠が目立つ | 薄い罫線を使い、不要な囲みを外す |
| 何が大事か分からない | 見出しと本文に大きさの差を付ける |
| 図が全部同じに見える | 比較・順序・変化に合わせて構図を変える |
| 色の印象が強い | 白地、黒文字、グレーの補助線に揃える |
線を細くする場合も、表示する大きさで読めるかを確かめます。作業画面で拡大するときれいでも、発表時やスマートフォンでは線が見えなくなるかもしれません。見た目の希望と使う場面をセットにして伝えます。
図は横にスクロールして読めます
図の形は、伝える関係から選ぶ
資料の統一感を保つために、すべてのページを同じ構図にする必要はありません。比較するページと、改善の流れを説明するページでは、見てほしい関係が違います。
比較なら、共通の項目を縦に揃えた表が使えます。順序なら、段階のつながりを示します。試して戻る過程なら循環図、結論から条件を探る説明なら逆算の分岐図が候補です。まず文章で関係を説明し、それに合う図を選ぶと、図に合わせて内容を変えずに済みます。
たとえば、業務の受付方法を検討する説明用の例を考えます。「選択肢ごとの違い」は比較表、「相談から対応完了まで」は工程図、「相談を受けて資料のどこを直すか」は更新前後の対比で示せます。同じテーマでも問いが違えば形が変わります。改善を扱う図も、「何度も繰り返すこと」を伝えるのか、「何を直すか」を伝えるのかで整理を変えます。
ここで共通にするのは、文字、余白、線、ロゴの扱いです。情報の関係を表す部分には変化を付けます。一枚だけ取り出しても読みやすく、並べても同じ資料だと分かる状態を目指します。
図は横にスクロールして読めます
修正のたびに、共通ルールを更新する
初稿を見て「もう少し線を細く」と伝えたら、その修正を今回限りの指示で終わらせず、次回の共通ルールに加えます。「白黒を基本にする」「図ごとに最も伝えたいことを一つにする」といった蓄積です。
ただし、一度の例外まで標準にすると、次の資料に合わなくなることがあります。締めのページだけ写真を大きく使う、あるページだけ強い対比を付けるといった指定は、そのページの目的と一緒に残します。
共通ルールには、多くの資料で維持したいことを書きます。案件ごとの指示には、今回の読み手、目的、枚数、使う場所を書きます。この二つを分けると、次回は共通部分を使いながら必要な条件だけ差し替えられます。
変更した理由も一言あると役立ちます。「好みだから」でも十分ですが、「会場の後方から読むため」「同じ図を記事にも使うため」まで分かると、どこを調整できるか判断しやすくなります。
自社向けの制作ルールのひな型
以下は、今回の制作経験をもとに独自に整理した例です。自社の見本と組み合わせて使えます。
- 目的:読み手が内容の関係と要点を理解できる資料にする。
- 基本の見た目:白地、黒文字、薄いグレーの罫線を使う。
- 情報量:一枚で伝える主張を一つにし、長い補足は分ける。
- 図の選択:比較、順序、循環、分岐など、内容の関係に合う構図を使う。
- 線と余白:囲みを増やさず、使う大きさで読める細い線と十分な余白を取る。
- ブランド:支給された公式ロゴを縦横比を保って使う。
- 仕上げ:本文と図の内容が一致し、配布形式でも読みやすいか確認する。
見本に添える短い依頼文なら、次の形でも始められます。
添付の見本では、余白、文字の強弱、罫線の扱いを参考にしてください。今回の情報は、関係に合う図へ組み直してください。先に構成を示し、採用した図の理由も短く説明してください。
今回の制作では、見本を渡した後にも希望を追加しました。最初からすべてを言語化するのは難しいため、完成に近づく過程でルールを整える進め方が現実的だと考えています。
手元にある「自社らしい」と思う資料を一つ選び、気に入っている箇所を具体的に書いてみてください。その説明を残すことが、次のAI制作でも使える出発点になります。
このナレッジを AIと使う
「AIの資料デザインを揃えるには、見本と制作ルールを渡す」を自分の業務に当てはめるためのMarkdownファイルです。記事から抜き出した要点・手順・チェック項目に、自分の状況を書き込む欄とAIへの依頼例をまとめています。
このファイルでつくれるもの
- 記事の要点に沿った現状整理
- 優先して確認する質問リスト
- 担当者・期限・判断条件を含む実行計画
ChatGPTやClaudeなどにファイルを添付し、自分の状況を伝えてください。対話しながら具体的なアウトプットをつくれます。
ナレッジをダウンロード .md
無料・登録不要 / 更新 2026-09-11
テキスト形式のファイルです。専用アプリがなくても内容を読めます。
このナレッジを どこで実践しているか。
AIを事業の力に。現場で使える仕組みを設計し 実装する。
bizLabのサービスを見る



