bizLabAI活用・事業開発

経営者の頭の中にある構想を、AIと発表資料にするまで

社内向け資料をAIと制作した経験から、構想の整理、根拠と仮説の区別、構成の確認、修正の伝え方を紹介します。次の資料で使える依頼文も掲載します。

AI生成のイメージ写真。構想をまとめた紙を机に広げ、資料の順序を検討する手元。実際の社員・顧客・執務環境の写真ではありません。
AI生成のイメージ写真。実際の社員・顧客・執務環境を撮影したものではありません。

この記事のポイント

  • 読み手に起こしたい変化から、資料の目的を決める。
  • 事実、決定事項、検討中の案を分けて構成を組む。
  • 初稿を見て具体的に修正し、配布する形式まで確認する。
この記事の目次最初に、読み手に起こしたい変化を書く根拠資料と、これから決めることを分けるスライドの見出しを読み、話がつながるか確かめる初稿を見ながら、修正の対象を具体的に伝える次の資料で使える依頼文

「考えていることはあるけれど、発表できる資料にはなっていない」。経営方針や新しい取り組みを伝えるとき、私たちにもこうした場面があります。話し始めると、目指す姿、現在の課題、事業の進め方、直近の行動が一度に出てくる。それぞれは大切でも、そのまま並べて読み手が理解できるとは限りません。

bizmoteでは、社内向けの計画資料をAIと一緒に制作しました。構想を言葉で渡し、根拠となる資料を参照しながら構成を組み、PowerPointにして見直す進め方です。今回は社内の実数値や計画内容を載せず、その制作手順を紹介します。

資料にする過程では、私たちが判断することも残りました。何を約束するか、何をまだ検討中として扱うか、発表を聞いた人に何をしてほしいか。その判断をしながら、AIに整理と制作を進めてもらいました。

最初に、読み手に起こしたい変化を書く

作り始める前に役立つのは、「誰に向けた資料か」と「読んだ後にどうなってほしいか」を言葉にすることです。同じ方針でも、社員に伝える資料と、協力先に説明する資料では必要な情報が変わります。

社員向けなら、自分の仕事が今後の方針にどうつながるかを知りたいはずです。協力先向けなら、一緒に取り組む範囲や、どこで判断が必要になるかが気になるかもしれません。聞き手の疑問を先に置くと、構想のうち何を詳しく説明するかを選べます。

今回も、将来の話を伝えるだけでは足りず、直近の行動に結び付ける必要がありました。そこで、最後に「今のうちにやること」を加えました。資料の終わり方を考えることが、途中に必要な説明を見直すきっかけになります。

依頼の段階で文章が整っている必要はありません。「この方向に進みたい」「ここは決まっている」「ここは相談したい」と書き分ければ、AIが構成案を出すための材料になります。

根拠資料と、これから決めることを分ける

計画資料には、すでに確認できる事実と、将来に向けた意志が同居します。AIが文章として自然につなげても、その情報の確かさまで同じになるわけではありません。

私たちは、根拠となる資料を参照しながら、確定事項と仮説を分けて扱う形で制作を進めました。読者が自社で試す場合も、入力する材料に状態を付けておくと、確認箇所を探しやすくなります。

横に長い表は スクロールして読めます

材料の状態依頼時に添える情報資料上での扱い
確認した事実出所、対象範囲、確認時点根拠として記載する
決定した方針決めた人、決定内容方針として記載する
検討中の案前提、未決事項案であると分かる表現にする
情報がない項目誰に何を確認するか確認事項として残す

たとえば、説明用の架空の業務改善計画なら、「申請が複数の場所に届く」は確認する現状、「受付をまとめたい」は方針案、「処理が速くなる」は検証する仮説です。この区別を保ったまま資料を組みます。

公開向けに作り替える際は、元の社内資料をそのまま画像にする方法は避けました。名前や金額を消しても、時期や項目の組み合わせから内容が分かる場合があるためです。この記事の図も、制作の考え方を説明するために新しく組み直しています。

スライドの見出しを読み、話がつながるか確かめる

材料を渡したら、まず構成案を見ます。この段階では、各ページの見出しと、その見出しを支える材料が分かれば十分です。

見出しだけを順に読んでみてください。現在の課題から急に遠い将来へ飛んでいないか。方針を述べた後に、その根拠が続くか。最後の行動に必要な説明が途中で抜けていないか。全体を短く読むことで、話のつながりを確認できます。

順序に迷うときは、終わりから考える方法も使えます。「読み手に判断してほしいこと」を置き、その判断に必要な材料を前に置く。さらに、その材料を理解するための前提を置きます。図のように逆算すると、盛り込みたい話を全部入れる状態から、目的に必要な説明を選ぶ状態へ進めます。

図は横にスクロールして読めます

読み手が判断するために必要な説明を逆算すれば、構想を資料の順序へ整理できる

ここでAIに「話の飛躍がある箇所を挙げて」と依頼することもできます。ただし、指摘をすべて採用する必要はありません。参加者がすでに知っている内容なら短く済ませるなど、発表の場を知る人が決めます。

初稿を見ながら、修正の対象を具体的に伝える

構成ができたら、見本や制作ルールを使ってスライドにします。今回も、最初の出力を見た後に、配色を白黒にする、図形の線を細くする、タイトルや締めのページを加えるといった修正を重ねました。

「何となく違う」と感じたときは、内容、順序、見た目のどこが違うかを言葉にすると依頼しやすくなります。「冒頭で目的を伝えたい」「この図の線を細くしたい」「最後に直近の行動を置きたい」という単位です。

修正時には、変える対象と維持する対象を一緒に伝えます。たとえば「文章の意味と項目は維持し、配色と罫線を調整する」と書けば、確認する範囲も明確になります。工程ごとに「何を作り、何を確認すれば次へ進めるか」を置くと、戻って直す場所も判断できます。変更後は指定した箇所だけでなく、ページの前後も読み直します。ページ追加によって参照先や話の順序が変わることがあるからです。

図は横にスクロールして読めます

工程ごとに成果物と確認事項を置くことで、修正が必要な箇所を判断できる

次の資料で使える依頼文

以下は、今回の進め方をもとにした汎用の依頼文です。実際の会話を転載したものではありません。共有してよい材料だけを添え、角括弧の部分を自分の業務に置き換えて使ってください。

[対象者]に向けて、[目的]を伝える資料を作成したいです。読んだ後に[判断・行動]につなげたいと考えています。添付資料のうち、確認済みの事実、決定事項、検討中の案を区別してください。まず各ページの見出しと根拠を並べた構成案を作ってください。情報が不足する箇所は、推測で埋めず確認事項として残してください。構成を確認した後、見本に沿って編集可能な資料にしてください。

完成条件も添えておきます。読み手が取る行動を説明できること、事実と案を見分けられること、配布する形式で文字と図が読めること。作る前に書いておけば、最後の確認に使えます。

今回、AIに任せたのは構成の提案や図表・ファイルの制作です。私たちは目的を伝え、案を選び、違和感を修正の言葉にしました。この分担を先に想定しておくと、初稿の後も作業を進めやすくなります。

まずは次に作る資料について、「誰に」「何を理解してもらい」「何をしてほしいか」を短く書いてみてください。そのメモが、AIと制作を始めるための起点になります。

このナレッジを AIと使う

「経営者の頭の中にある構想を、AIと発表資料にするまで」を自分の業務に当てはめるためのMarkdownファイルです。記事から抜き出した要点・手順・チェック項目に、自分の状況を書き込む欄とAIへの依頼例をまとめています。

このファイルでつくれるもの

  • 記事の要点に沿った現状整理
  • 優先して確認する質問リスト
  • 担当者・期限・判断条件を含む実行計画

ChatGPTやClaudeなどにファイルを添付し、自分の状況を伝えてください。対話しながら具体的なアウトプットをつくれます。

ナレッジを
ダウンロード .md

無料・登録不要 / 更新 2026-09-11
テキスト形式のファイルです。専用アプリがなくても内容を読めます。

#AI活用#業務改善#資料作成

このナレッジを どこで実践しているか。

AIを事業の力に。現場で使える仕組みを設計し 実装する。

bizLabのサービスを見る